出てくる出てくる、中庭にぞろぞろと、どやどやと。
麦茶やお菓子を持って、集まってきたのどかな人だかりにつられて、またぞろぞろどやどや。
車椅子の人。靴下で一足一足踏み出す人。
もうすこしで、パチンとはちきれそうな
ボタンの蕾が一列に並んだスロープを降りると芝生の中庭です。
あちこちにチューリップやスミレがいっぱい。
廊下の壁飾りにも真っ赤なチューリップを一輪挿しました。
その上の方にはこんな言葉が書かれた壁飾り。
「はじをかこう、きもちよく」
恥をいっぱいかくと、固い蕾になるんです。
いっぱいかけばかくほど、
固い多きな蕾になって、大輪の花が咲くんですよ。
固い蕾が春の風に揺れていました。
※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。
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