【2003年2月18日】帽子

今日は雪が降りそうな寒い日でした。
新しい帽子をかぶったAさんが、
デイルームの中をダッーと歩いていました。
ジャンバ一の色にあっていて、
あら、素敵な帽子ねと私がいうと、
あのろれつのまわらないしゃべり方で、
いい帽子だから買ってきたんだと言います。
今から出かけるんだと、口の周りに食べかすをつけて、
とろんとした眼でそういうのです。
昨日は大好きな婦長と帽子をかぶって散歩したそうです。
今日も行きたいからと、
ナースステーションに走りこんできたんでしょうね。
今日は寒いから・・・
Aさんはナースステーションの中の柱の横にある小さなテーブルで、
こっくりこっくりするのが好きです。
分けかからなくなちゃって、床にダーッと寝そべっていやいやをしても、
盗み食いのたくあんでひっくり返っても、
やっぱりAさんは病棟のアイドル。
明日からはいないって言われても、
やっぱりそのへんで寝そべっているんじゃないかと思って、
ドアの前を見てしまう。
きょう、みんなで見送りました。

※本記事は、20年以上前（2000年11月～2004年4月）千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。