とっても疲れてしまって、少し休みたくなったとAさんはいいます。
ただただそういいます。
しっかりしていない自分が情けないとも、
これ以上何をすればいいのかわからないとも、
仕事がいやなわけではないとも、
この病院が好きだとも・・・・。
もう仕事をやめる気になったら、
噴出してくる思いを静かに語ってくれました。
黄色の点滅から赤色の点滅になってしまい、
もう灯りを消して休みたいと婦長に伝え、
私のところに来ました。
話をききしながら、Aさんのシグナルは赤から黄色に変わり、
そして最後はAさんらしい灯りがほんのりとともって、私はホッとしました。
その灯りは、以前よりほんのすこしたくましく、
以前にもましてやさしい灯りでした。
最後にAさんは、こんな話をしてくれました。
以前私は、勤めはどこかと聞かれても、
病院の名前は言えず、○○のほうと答えました。
何科ときかれると精神科といえず、
老人がたくさんいると答えました。
でも今は、病院の名前も精神科ともちゃんと答えられるようになりました。
この病院が好きです。
その後、「白旗」を揚げた婦長がきて、
ありがとうございましたと私に頭を下げました。
そんな・・。
ただ私は、たくさんの灯りに囲まれている病院で仕事がしたい。
赤や黄色の点滅でこの病院にきた患者さんが、
自分の灯りをともしている人々の中で暮らし、
自分の灯りをともせ始めたらいいなと、
ただそう思っているだけ。
それは、あなたと同じ思いだから・・。
今日また、そう思っている人たちに出会えた。
※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。
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