【2002年12月28日】空気

1年の最後に私は看護師長と主任とひとりずつ話をしました。
ひとりひとりの話しにたくましさや誠実さを感じました。
看護部長となって3年が過ぎ、
いまようやく根っこの方から変わっていきそうなそんな空気を感じます。
物の語り方が違ってきたのです。
「この病院を看護部長がかえたとおもっていた時は、
なんだかちょっとしっくりしなかった。
でも違う、
病院に変わっていって欲しいと思っていたのは患者さんたちで、
だから私も変えていきたかっただけだ。
看護部長はそのチャンスをくれただけなんだと思ったら、
自分に自信が持てるようになった。
変わったのは私だったんです。」
「以前はスタッフが表面仲良くすることがなによりも大切でした。
でもナアナアの仲良し関係をつくちゃうと、
本当に病棟を変えたいと思ったとき、
その関係が邪魔するんです。
ほんとにいい関係はいいことだけいう関係じゃなくて、
いいことも悪いこともちゃんと言えることなんですよね。」
 「いまごろになって、看護職としての責任ということの意味がわかったなんて恥ずかしいですよね。
でも、いまわかってよかった。
もう自分を軽んじているわけにはいかなくなってしまいました。」
「病院は少し変わってきましたよ。
何かがあってもすぐ皆で話し合うようになりましたから。
それも患者さんをいれて話し合うようになった。
患者さんは考えていますから、
まずは皆がそれをきいてみようという風になりました。
それでいいんじゃないかと思います。
あせらず、ゆっくりやれば」
まだまだいい話しを一杯聞かせてもらいました。
病棟をまわるとほんの少し空気が変わってきたようなそんな気がした年の瀬でした。 

※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。

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