研究発表をしたAさんがメールをくれました。
「苦しいこともそのハードルを越えて進めば、その後の充実感は何倍もになって帰ってくると久しぶりに痛感しました。」
彼女は今回の研究発表の直前で混乱してしまい
「指導いただきながら、もうこれ以上まとめられません。今回はあきらめます。」
と根をあげたのですが、結局〆きりぎりぎりに仕上げることができました。
跳び箱の種類や高さがちがうだけで、誰もが越えたい跳び箱の前でひるみます。
患者さんたちも私たちも、その跳び箱の前ですくんだり、
あともどりをしたり、つぶやいたり、叫んだりしています。
その人が越えるハードルを、そのひとが越えるために私のできることをする。
それは、ケアするものの基本的な姿勢です。
「わたしがあなたならこうやって跳ぶわよ」
と跳んでみせたりがんばれという掛け声でなく、
ちょっとお尻をポンと押すそのタイミングがケアのこつ。
跳ばせるためにおしりを叩いたらおしおきになっちゃます。
別な跳び箱とんでみようよというときもあります。
色々な跳び箱に挑戦してみたくなるひとがだんだん増えていくのが私の夢。
※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。
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