【2001年8月4日】裏でささえる

中庭では盆踊り実行委員会のスタッフとメンバーが後片付けに汗を流している。
きのうの盆踊り会場があとかたもなく消えていく。
使った盆踊り用品を奥にしまい、来年の運動会用品を手前に置くため、
倉庫の整理をみんなでしているんですよ。
楽しいイベントの縁の下の力。
いつもいつも感心します。
きのうの花火もどんな風に楽しんでもらうか考えに考え抜いて、用意しました。
準備に準備しぬいて、安全のためのあらゆる準備をして、あの世界をつくりあげたんです。
ビーズ売りの屋台を出した女子病棟では、
毎日すこしずつビーズつくりを患者さんと準備しました。
当日になると疲れて売り子になれませんでした。
でも、今日自分の作ったビーズの腕飾りをしている人をみることができました。
男子病棟ではとうもろこしを売りました。
前日までなんども声をかけいい返事がなかったのに、
当日は張り切ってうってくれました。
浴衣は着ないといっていた人が自分で着ようと身体をくいくいするし、
部屋で寝てばかりいたのにみんなの前で背筋を立てて座っていました。
大勢の人が浴衣や甚平を着る事が出来たのは用意してくれた人や着付けにせいをだしてくれた人。
しゃんとした姿の患者さんのたたずまいを支えてくれた。
表の華やかさの裏を支える仕事にどれだけおおきな価値があるか計り知れない。
おおきな行事だけでなく、日常のなかでも裏を支える仕事ほど価値あるものはない。
いつもみんなが私にそう教えてくれる。

※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。

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