今日は、お部屋にみんなで遊びにきてくれたらお菓子を出すから是非きてね、
と新人看護士に頼んでおきました。
中庭に散歩に来た時、4,5人ずつ車椅子の患者さんが2グループ訪ねてくれました。
水差しに入れたサトイモの葉っぱや、壁に止めておいた写真を見ながら、
カステラと麦茶をほおばりました。
写真の人は、誰さんだ、あっ、これは誰サンだって写真を眺めました。
いつもいつもナースステーションの中を歩き回っている痴呆で入院しているAさんに
「社長は元気?」ってきくと、
「いやこのところ見ないなあ」と首をかしげました。
社長っていうのは、Aさんの病棟の看護士長のことです。
いま夏休み休暇中。
Aさんは、彼のことを「社長」と読んでいます。
「たいしたもんだよ、こんだけの建物建てたんだから」といいます。
「社長、夜逃げしたんじゃないの?」ってきくと、
「まあ、建物が残っていりゃいいわ」ですって。
たばこが大好きで目が全然見えないBさんは、
カステラを食べ終わるとつまらなそうに下を向いています。
「今何時?」ってきくから、「3時半」というと、
「あー、あ」とまた頭を下げました。
今度のタバコの時間までがまんできないんですって。
きいたら、今すったばかりらしいです。
でも、だんだんからだがシャンとなってきて、
帰る時には、「ごちそうさまでした」っていってくれたんです。
一緒にきた職員は、きちんとしたあいさつにおどろいていました。
また来てね。
※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。
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