【2001年4月17日】少しずつ

楽しいレクリエーション、行事食。
目に見える華やかな事は誰だって楽しいし、
毎日がこんなだったらと思いたくなります。

でもね、毎日毎日の小さな小さな当たり前のことをおろそかにして、
華やかなことができても虚しくなりませんか。
毎日毎日の生活で、
当たり前のことを当たり前にやりつづけることのほうが
どんなに大変な事か。

 「患者さんたちはこれでいいと言っています」
「患者さんたちが、このほうがいいというのでしかたありません」
そんな声を聞くと私は悲しくなります。

患者さんたちは、みんなやさしいから、こう思っているんですよ。
「職員サンがそれしか無理だって言うんなら、
僕らは大丈夫、まだまだ我慢できるから。
昔はもっと我慢していました。
期待をしないことは僕らの得意技になちゃったんですよ。
期待をすると、裏切られて、悲しくなるでしょ。」

 もくもくと、たんたんと当たり前のことを
気負いなくし続けている人を見るとありがとうって頭を下げたくなります。
「できるはずがない」と思っている人はなにもできません。
「できるかもしれない」と思っている人はできるかもしれません。
 「少しずつならできる」と思っている人は少しずつできます。
そんなもんですよ。
 

※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。

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