いつもしゃべらず、紙に書きつづけて、妄想の世界に入ってしまうAさん。
こんなことを話してくれたそうです。
「私はこの病院に20年もいます。前は職員がキャンキャン怒鳴っていることが多かった。このごろは笑顔があって、冗談を言ってくれて、心の痛みをわかってくれる。ここは精神科で私は分裂病という重症な病気だから、このごろはうれしいです。ゆったりした時間もとれて、こういうのがうれしい。」
職員が早く仕事を済ますことを優先せず、ゆっくりとした食事、ゆっくりとした服薬、ゆっくりとした検温、ゆっくりゆっくりを心がけたら、じっとAさんは見ていたのです。
※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。
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