【2001年2月10日】たたずんで、話を聞く

机の引出しには、精神科看護管理研究会で夜いっぱい飲みながら、皆で感想を書いたポストイットが何枚かはいっている。

参加者の表情が違う。

自分たちが楽しくなければウソ。

職員が変われば患者は変わる。

若いスタッフが精神科看護管理を考えているのがいい。

何ができるか分からないが、でもできる!。

精神科だからと考えずに、普通に対応すればいい。

ハードが変わった時はチャンス、自分たちも変わろう。

本音で言うことが重要。

なるべくなんでも単純に。

『感情労働』という言葉、流行るね。

もう一度生育暦を見なおしてみよう。

他人のおしゃべりを聞いていて気づき、これならできると思った。というのもあった。そう言えば、取材で参加した出版社のお姉さんは、3時間も4時間も毎夜風呂場にいて、参加者の裸で語る言葉を温泉の湯気の影で聞いていた。朝もまた風呂場にいた。私たちはそのプロ根性に脱帽した。

患者のこと知るのに、じっと3時間も4時間もデイルームにたたずんでいるだろうか。ただ、職員が用事があるから聞きに行ったり、呼び止められて話を聞いたり、そういうことはあっても、ただたたずんで聞いているということをしているのだろうか。いかにも何かやっている風に他の職員に見られるために動いていることはないだろうか。空気のようにたたずんで、本音が少し見える。

たから看護助手や、清掃職員、そしてただたたずむ患者さんが、職員の本音も患者の本音も良く見てる。


※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。

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