体育館で「少林寺のむこうに看護が見える」という研修会を行った。
地域で少林寺拳法を子供たちに教えている方にお願いして、少林寺拳法の極意は看護の心に通じるという内容で、ちょっとした技も習った。
精神病院で職員に少林寺拳法を教えるとなると、世間の偏見と職員の勘違いに躊躇したのだが、案ずるより産むが安しであった。
にわか知識で少林寺拳法の精神と技術を本で読み、看護技術に大いに通じるところを見出した。お会いして精神科看護の考え方や、こちらの意図や危惧も率直に伝え、難しい課題に挑戦してくださった。温厚なお人柄とユーモアがあふれ、手品のおまけまでついて楽しいひとときであった。
力に対して力で向うのではなく、相手の力をそぐ方法は、患者の力を使って介護する移動の技術とまったく同じであった。
人間の自然の動きと、てこの原理を使った技は、強者が弱者を背負い、人と人とが支え合うケアの基本でもあった。
※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。
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