【2001年1月4日】教えてくれてありがとう

退院したAさんに売店の前で会った。

私:ねえ、教えて欲しいことがあるんだけどきいてもいい?なんで何にもしない患者さんが手話コーラスの時間になるとくるの?

Aさん:自分の得になると思うからでしょ。

私:どういうことが得になるの。

Aさん:そんなことひとりひとり違うんだから、決まっていないよ。自分にとっていいと思ったらやる。思わなかったらやらない。はっきりしている。する必要がないからしないだけ。

私:そうか手話にさんかする人には何が共通しているのか考えていたから分からなかったのか。皆違うなんてあたりまえだね。

Aさん:そうだよ、当たり前だよ。大丈夫?そんなんで看護部長やれる?

私:大丈夫じゃないかもしれないけど、今日聞いておいて良かったわ。当たり前のこと分かってAさん:職員にはさ、何にもしていないことはよくないと思っている人がいるけど、やったって何の得にもならないからしないだけ。自分に必要だと思ったらやるよ。

私:うん、分かった。当たり前のこと教えてくれてありがとう。


※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科専門病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。

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