【2000年12月23日】3日間の大論戦

痴呆治療病棟へ入院したときはなかなかの痴呆であっても、そのうちなんか落ち着いてくる。
そして、そこでまた生まれる新たな人間関係は、また人との格闘の日々ともなる。
恋愛関係はあちこちで生まれ、好意と言う名のおせっかいや、嫉妬も渦巻く。
大声でけんかとなるが、止めはしない。
さあ、存分にやってちょうだい、あたしがよく聞いていてあげるから、と婦長が前に座る。
3日間ぐらいやらないとすっきりしないでしょうから、
明日もあさっても私の前でやってちょうだいと居座る。
その大論戦はみごと。
「あなた、あたしがあの人とセックスしたって言いふらしたでしょう。そんなことしてないわよ、キスぐらいならするけど」
なんてせりふをフムフムときいている婦長はおみごと。
食べるもの食べれば、出るものも出る。
さあ3日間ふんばって、たまったものは出してちょうだい。
すっきりするわよ。
3日間の大論戦の結果はどうだったのだろう。

※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科専門病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。

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