遠い島から入院してきたAさんは、
痴呆治療病棟から、精神療養病棟を経て、
今日島の特別養護老人ホームへ向かいました。
リュックを背負ってみんなに見送られました。
前の日には、新しいズボンを調達し、床屋にもいきました。
Aさんは、私に「またそのうち世話になりに来るから」と言いました。
先生は「そうか、旅にいくのか、いいな、元気でな」と見送りました。
前の日は、他県に引越しするので退職する職員のBさんに、
花束と色紙が贈られました。
夜勤明けに、ぱちぱちと拍手で送られました。
患者さんたちの名前が自筆で丁寧に書いてある色紙です。
真ん中には、Cさんが「誠」と書きました。
30年ぶりに声を出して話をするようになったDさんは「元気でね」と書きました。
わたしは、患者さんの色紙の隅っこにちっちゃくカタカナでサインしました。
みんなと一緒にみおくれたようでうれしいです。
3月はお見送りの月です。
※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。
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