5月の暑い日、いつも病棟の廊下で会うAさんから葉書が来た。
「暑中お見舞い申し上げます。おからだを大切に。かしこ」
葉書を書いてポストにいれた。
「暑中お見舞いありがとうございます。
暑い日の次には、雨の降る日もきます。
お体大切に。かしこ」
葉書が来た。
「おはがきありがとう。
病院に入院したままで何も楽しみがないからうれしかったわ。
あんたの手のあいている時会いましょう。
おあいできるのをたのしみにお待ちしております。
お体大切に。かしこ」
同じ病院の住所だけど、郵便ポストに入れて、
郵便局の消印が押されて届く葉書。
廊下から病室をのぞいたら、ベットから起きだして、
小さく小さく小走りして私の手を取った。
「ほんとに、来てくれたんだね。うれしいよ」
「まっててくれたの。うれしいな」
※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。
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