玄関にガラスケースに入ったお雛様が置いてあります。
これは、いただきもの。ねじを巻くとオルゴールが鳴るんですが、おばあちゃんのところに面会にきた孫たちが遊んだり、お昼ご飯を取りにきた保育所の子供が遊んだりと、みんなにかわいがられています。スタッフや患者さんが作ったお雛様だったり、病棟によっていろいろですけど、痴呆病棟の「移動雛」はモテモテです。
お雛様を飾るとまた壊されちゃうと飾れない理由をいって、あきらめているスタッフに婦長はハッパをかけたそうです。「だめだ、だめだばかりいってないで、どうしたら飾れるのかを考えてちょうだい!」飾ると言う前提で考えると知恵がでてくるんですね。なんと「移動雛」。ちょっと前につくってもらったテーブルを移動するときに使う台車の上に段飾りをおいて、スタッフがデイルームにいるときはデイルームに置いてあるんですけど、スタッフの数が少なくなってお雛様の面倒が見られないときは、ナースステーションの中にひっぱってくるんです。これで安心。だって、あっと気がつくと何でもお口に入れたくなっちゃう人がいますから。
「移動雛」は今、あちこちのひな祭りで「出張展示」しています。
※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。
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