【2001年2月24日】梅の木の下で歌う

今日は、閉鎖病棟のご家族に集まっていただき、医師による基礎講座と家族交流会をおこなった。私も少し同席した。

患者さんが行ってみたいというところにはとことんつきあって同行する父親。「だんだん子供も大きくなりましてね、男同士、今じゃあ、父親と言うより兄弟のような付き合いですよ」職員が同行するととても気を使う青年の母親。「同じ入院している方達が、おばちゃん僕達が一緒についていってあげるから、それでいいか先生に頼んでみてごらん、っておしゃってくれるんです、いいですか」。

息子は失語症なので会話がすすまなくてという母親に、いや、ぼくらはいつもあの笑顔に励まされ、昨日も、梅の木の下で3曲も歌を歌ったってくれたんですよ、と職員がいう。

いったい自分達は何をすればいいんでしょうかとおっしゃるご家族に、もうそうやって心配してくださるだけで充分ですよと私はつぶやいてしまいました。

またきてくださいね。できるかぎりのことしますので、また教えてください。

そういってご家族を見送った。

前日、グループ活動で梅林に行き、あんまりみごとで感激し、みんなで歌を歌ってしまったんですって。

※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。

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