【2003年2月25日】雪

Aさんが、話をしたいといって部屋にきました。
きのう雪が降りはじめて、みんなで窓から中庭を見て
「雪だ。雪だ。」というので、
「A子は眼が見えないから雪が見えない」といったそうです。
すると、なにいってんだ見えるくせにといわれ、悲しかったというのです。
Aさんは、バラ園にいってかえってくると、さっさと絵を描きます。
白い杖をついていますが、Aさんはすばらしい絵をさっと描きます。
バラの香りのなかでうかんだ絵を書きます。

玄関のロビーで、B先生に会ったので、
雪が見えないので悲しい、見えるくせにといわれて悲しいと訴えました。
B先生は、「Aちゃん、外に出てごらん、雪は見えるよ」といいました。
黒いジャンバーにハラハラと雪が舞い、雪が見えました。
降ってる雪は見えなくても、肩に舞い降りた雪は見えます。

ーお母さんの名前は「ユキ」なの。
おかあさんが「A子おかあさんが見てるからね」っていったみたいだったの。
おかあさんに会いたかった。
A子さん。
雪はからだとこころで見るものなんですね。

※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。

 

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