【2001年6月13日】割烹着

働き者の人は、毎日ぼんやりしているといやになっちゃうんですよ。
せっかく入院したんだからって、歌うたって、手たたいて、遊んでなんかいられないの。
わかるなあ。
「そんな年寄り臭いことできない」って93歳の人も言っていたもの。
痴呆治療病棟のAさんは働き者。
割烹着を着けると変身しちゃうんです。
しゃかしゃか働いてくれるので、Aさん用の洗濯物たたみセットも用意してあります。
「なんだ割烹着であんなによくなるんなら、患者にみんな割烹着を買ってやれ」
なんて先生がいうの。
そうね、みんな朝になったら、それぞれの仕事着に着替えるのが一番しゃきっとするわね。
みんなそれぞれ往年の仕事着や、青春の制服に着替えて暮らすっていいですね。
 

※本記事は、20年以上前(2000年11月~2004年4月)千葉県内の某精神科病院に看護部長として勤めていた頃、ナースサポートKKに掲載していたブログ『あっけらかん病院看護日誌』のアーカイブです。

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